人材を採用する際に履歴書や職務経歴書の提出を義務付けている会社は多いと思いますが、採用後もその履歴書に記載されている経験や特技を使えている会社は意外と少ないのが実状です。
その人材が何をしてきたか、いま何が出来るのかということよりも、採用後、どう教育するか、何をさせるかということの方が大切だと考える会社が多いからなのですが、採用した人材の持つ特技は更に磨けば光る長所にもなりますし、形を変え特技を活かして仕事で使える能力に進化させてやることも出来ます。
使わなくなったハサミは放っておくと切れなくなります。適宜手入れをしてやることでいつでも切れる状態に保てます。
大学時代体育会系のクラブで主将を務めていた方が、どうすればチームをまとめられるのか、また、どうすればみんなが率先して取り組んでくれるかという点をいつも気に掛け、練習メニューを考え、メンバーとコミュニケーションをとりながら頑張っていたとします。その人は個人の能力に関して言えば中の上ぐらいで営業として特に優れているというわけではありません。でもリーダーとしてチームを率いて指導させると部下が率先して行動し成績が飛躍的に伸びたそうです。
チームをまとめる能力、他人とコミュニケーションをとる能力に優れていたからこそ出来たことだと思いませんか?
中間管理職に再教育の研修をする会社が増えていますが、私が研修を実施する時には、忘れかけた能力をブラッシュアップ出来るようコーディネートすることを心掛けています。
その人本来の持っている力が発揮できていないということは、仕事において制限がある状態で働いているということになります。それは会社にとって利益を逸していると同時に、そのブレイクスルー出来ていない状態のストレスにより、本人の能力がさらに低下する恐れがあります。
「俺はこの会社に必要とされていない」「自分らしく働きたい」という思いに至って転職を考えることでしょう。貴重な戦力を失わないために、もう一度本来の切れ味を取り戻せるようブラッシュアップしてみてください。