映画みたいな本当の話

「プリティーウーマン」って映画観たことありますか?観たこと無い方はDVD借りて観てください。

俗に言う、アメリカンドリームとか、シンデレラストーリーというのは、奇跡が実際に起こった物語なのですが、人材育成のトレーナーをしていると奇跡を何回も目撃します。

映画ではなくリアルガチなやつです。

ブレイクスルーやブランディングのセミナーを受講する人って、元々出来ていないから変化を望む訳で「こうなりたい!」って思う気持ちがあるから受講するんですよね。

そこに参加した42歳のTさん(男性)の話、実話です。

某有名企業において、真面目な勤務態度と毎月コンスタントに叩き出す営業成績が認められ、めでたく課長に昇進したTさん。

しかし、その直後、部下が会社のお金を着服し、新聞沙汰にまでなる騒ぎに発展し、勿論部下はクビ、責任を取らされる形で課長になって僅か1ヶ月でTさんは降格。

何よりも「あいつは管理職向きじゃない!」ってレッテルを貼られ、ストレスから胃に穴が開き会社も休みがちに。

出社しても周囲から冷ややかな視線で見られている気がして会社に居づらくなり、ついに退職。

元同僚だった奥さんにも愛想尽かされ離婚。子どもも奥さんに付いて行く形で出ていきマイホームとその借金だけが残って本当に独りになってしまったそうです。

自分の人生をもう一度やりなおしたいけれど、何をしたいのか分からない。家族や社会的な信用を失って心身共にボロボロになった今、未来を考えることも出来ないと私の主催するブレイクスルー研修に参加したTさんは俯き加減に仰ってました。

一通り話を聞いてから私はTさんに言いました。

「厳しいようですが、そこから抜け出したいなら、今後はその話を誰にもしないで下さい」

「それは大変でしたね。一緒に頑張って行きましょう!って私が励ましてもあなたは変われないですよ」

「やるかやらないか、今すぐ決心して下さい」

Tさんは私を睨み付けるように言いました。

「落ち込んで苦しんでる人間に対してそんな言い方をするなんて!」

「私帰ります」

私は引き留めませんでしたが、Tさんが部屋を出て行ったあと、他の受講生もいたので少し話をしました。

大阪市の南部にある大きな公園の周辺には俗にホームレスと呼ばれる人が沢山住んでいます。学生の時の社会科の実習で彼らにインタビューする機会がありました。

「なぜホームレスをしているのか?」20人ほどの方に声を掛け同じ質問をしました。

驚くことにみんな喋り出しが「自分は◎◎に◎◎されたから◎◎できない」という被害者の口調でした。

体がブルッと震えました。

みんな家がないというだけで普通の人と変わらない優しい良い人なのに、マイナスの理由付けに縛られて何も出来ないでいる姿に人間の弱さを感じたのです。

私たちにも言えることですが、このマイナスの理由付けが障害になっていて壁として立ちはだかっているのです。

ブレイクスルー研修はこの壁を壊す作業をします。

壁の中にいたら外には出られないんです。

驚いたことに、研修の初日が終わって、片付けと明日の準備をしていた時に、出て行ったTさんが戻って来ました!

出て行った失礼に対して丁寧に頭を下げ、目には涙を浮かべています。

「私、変わりたいんです!」
「でも、怖いんです!」
「これ以上傷つけられるのが…」

私はTさんのように殻を破れずにいる人をブレイクスルーさせて来ました。

「Tさん!今は何も考えられないかも知れませんが、この研修が終わったら考えることぐらいならできるかも知れませんよ。逃げてたら何も変わらないじゃないですか!?」

Tさんは、研修を受けようとしてここに来た、これが最初の決心です。

でも、逃げ出した。

でも、帰って来た。これが二度目の決心です。

少しずつTさんは変化しています。

目に見えて劇的な変化を望む人は多いですが、ブレイクスルーはそんな簡単じゃありません。

Tさんは2日目から受講し無事研修を修了されました。

その後も日常生活に行き詰まったら連絡して来られます。

今は、建築資材を扱う20人ほどの会社を経営する立派な社長さんです。

綺麗な年下の奥さんと娘さんもいて幸せの絶頂って言っていました。

人生って変わるものですね。

では、また!

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